競馬ファンにとって「勝つ」とは馬券収支をプラスにすること。1万円賭けて2万円になって戻ってくれば間違いなく勝ちです。馬券を買っている人が、どのくらい勝っているか、負けているかを表すのが「回収率」です。
競馬予想サイトやブログなどでは、「競馬は的中率より回収率」と断言しているところも多く、この回収率が何より重要な基準と考えている方も多いでしょう。
そこで、この記事ではこの回収率の計算方法や、どのように捉えるべきかなど、回収率の意味合いについて解説していきましょう。
回収率の計算方法
回収率の計算方法はそこまで難しくありません。単純に払い戻された金額を、賭けた金額で割れば算出できます。計算式で表すと以下の通りです。
- 合計払戻金額(円)÷馬券購入金額(円)×100=回収率(%)
簡単な例を挙げれば、単勝200円の1番人気の単勝馬券を1点100円購入し、その馬が勝ったとします。この時の払戻金額は200円、購入金額は100円ですから、回収率は200%ということになります。
この回収率が100%を超えると馬券収支はプラスになっている、つまり勝っているということ。100%に届かない場合マイナス、つまり馬券で負けているということになります。
回収率をエクセルで管理
馬券の回収率は1つのレース、1日の収支といった短いスパンで考えるだけではなく、1か月、1年といった長期スパンで考えるのがおすすめ。仮に1年間トータルの回収率が101%だったとしましょう。
わずか1%の勝ちですが、1年間トータルの馬券購入金額が50万円であれば、1年間競馬を楽しみ続けたうえ、5,000円のプラスだったということになります。
こうした年間収支や月間収支を計算するには、エクセルで管理するのがおすすめ。自宅にPCがあり、エクセル、もしくは表計算ソフトも持っていれば、簡単に回収率の計算・管理が可能になります。
エクセル作成手順
ここでは、もっとも単純な関数を使った、エクセルで回収率を管理する手順を紹介しましょう。
手順① 【日付】【購入金額】【払戻金額】【回収率】の項目を作る
まずはエクセルに各項目を作成します。この時、収支をつけ始める日から、その月の末日、もしくはその年の年末までの日程を作っておくと後が楽になります。
手順② 【購入金額】【払戻金額】の列は「通貨」に指定
「購入金額」と「払い戻し金額」の列を指定し、「セルの書式設定」から「通貨(日本円)」に指定します。この指定をしておくと、この列に半角数字を打ち込むだけで「¥表示」にすることができます。
手順③ 【回収率】の列は「パーセンテージ」に指定
続いて「回収率」の列もセルの書式設定で「パーセンテージ」に指定します。小数点以下は2桁くらいにしておくと視覚的にも見やすくなります。
手順④ 【回収率】の列に関数を組み込む
最後に回収率のセルに関数を組み込みます。関数は以下の通りです。
- =C2(払戻金額のセル)/B2(購入金額のセル)
この関数を組み込んでおけば、毎週購入金額の合計と、払い戻し金額の合計を入力するだけで、簡単に回収率を算出することができます。
さらに、毎週末収支を入力していけば、年間の回収率も算出することができます。仮の数字を入れて完成形を見てみましょう。
エクセルにベースさえ作ってしまえば、あとは馬券を買ったらその金額を書き込むだけで、きっちりとした競馬収支表が完成します。
このベースを知っておけば、例えば競馬場別、芝・ダート別など、細かな収支を使い分けることも可能。作り方は基本的に同じです。
こうした毎回の回収率、その月の回収率、その年の回収率を知ることは、馬券成績の上昇にも直結しますのでおすすめです。
アプリやソフトで回収率を管理
エクセルがあれば比較的簡単に馬券の収支は管理できます。しかし自宅にPCがない、もしくはあるけど自由に使えない、表計算ソフトがないという方もいらっしゃるでしょう。さらに言えば、エクセルで自分で管理するのも面倒という方もいるかもしれません。
そんな方におすすめしたいのがスマホアプリです。スマホアプリの中には、競馬の収支を管理してくれるアプリもあり非常に便利です。
馬券回収率を管理するアプリに関しては、いろいろな種類がありますが、下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
回収率を意識する
エクセルやスマホアプリを利用して、自分の回収率、馬券収支を管理するにはどのような意味があるでしょう。競馬を楽しんでいる方は、狙ったレースの馬券を購入し、勝った負けたで楽しんでいるかと思います。
しかし、そこまで回収率を意識する必要があるのでしょうか?実は競馬で重要なのは的中率よりも回収率。このあたりについて解説していきましょう。
的中率よりもある意味重要
馬券を買う目的は、馬券を的中させることです。このことを考えると的中率というものが非常に重要になります。ただしこれは競馬初心者までの話。
競馬初心者の方は、まずは馬券を当てて払い戻しを受けることが重要です。金額の多寡にかかわらず、馬券を買って払い戻しを受けるということを繰り返すことで、競馬の楽しさを実感していきます。
しかしある程度競馬経験を積めば、馬券は「当てること」が目的ではなくなり、「勝つこと」が目的となります。当てることが目的であれば重要なのは的中率ですが、勝つことが目的であれば重要なのは回収率です。
10回馬券を買って7回的中しても、収支がマイナスでは意味がありません。的中が1回でも、収支がプラスであれば競馬は勝ちです。もちろん的中させることは大前提ですが、当てることだけに固執せず、回収率を高めるように工夫することで、より競馬を楽しめるようになるでしょう。
回収率の目安は75%から
競馬を楽しむ以上回収率を意識すべきであることは間違いありません。では、どの程度の回収率が「普通」で、どのあたりを目標とすべきかを考えてみましょう。
回収率の平均値に関して
競馬の回収率にはハッキリとした平均値が存在します。JRAの馬券全般の平均値は70~80%の間、地方競馬においてもほぼ同じレベルが平均値となります。
これは統計学や予測ではなく、根拠のある数字であり、その根拠となるのがJRAや地方の各競馬場が定めている「控除率」です。
回収率の平均値や控除率に関しては、以下の記事で詳しく解説していますが、回収率の平均は75%前後に収まるという事実は覚えておきましょう。
目標はあくまでも100%超え
馬券の回収率の平均は75%前後であり、これを超えることは簡単なことではありません。もちろん1レース三連単を的中させれば、一時的に回収率は100%を大きく上回ります。しかしこれは一時的なもの。長いスパンで考えると、自然と回収率は75%あたりに収束していきます。
とはいえ、馬券の回収率が100%未満ということは、馬券で負けているということになります。さらに予想に競馬新聞や有料のアプリなどを活用していれば、その費用もありますので、競馬に関して大きな出費が必要ということになります。
簡単なことではありませんが、回収率の目標はあくまでも100%以上。100%を1%でも超えていれば馬券収支はプラスということになります。例えば馬券を購入した金額の合計が1,000万円までいった時点でも101%をキープしていれば、この期間で100万円のプラスが出ているということになります。
馬券の回収率が100%を大きく超え続けるということはまずありえません。たとえ1%でも100%に近づける、超えるように意識して馬券戦略を練っていきましょう。
まとめ
- 馬券の回収率の計算は「払戻金額÷馬券購入金額」で計算できる
- 回収率はエクセルなど表計算ソフトで管理すると簡単
- 収支管理をしてくれるスマホアプリもある
- 回収率を意識することで馬券予想成績も上昇する
馬券を買う以上、誰でも勝ちたいものです。たとえ100円でも10円でもプラスになれば、次のレースも同じ金額で同じように楽しめるということになり、より長く競馬を楽しむことができます。
また、回収率を自分で計算し管理することで、馬券を的中させる、馬券収支をプラスにすることを意識するようになり、意味なく無茶な買い方はしないようになります。
無茶な買い方をしないようになれば、必然的に回収率も上がるはず。より長く競馬を楽しむためにも、まずは回収率100%を目標に、しっかりと計算・管理していきましょう。